産業ケアマネは使える資格？報酬や口コミ、求人サイトの情報まとめ！

「産業ケアマネジャー」という資格をご存知ですか？

ケアマネだけど、ちょっと特殊な・・・、今とっても注目されている資格なのです！

普段ケアマネとして働く中で、ご家族からこんな相談を受けることってありますよね。

「父の介護が大変で大変で・・・、仕事を辞めようかと思っている」

「妻の通院の付き添いで仕事を早退したら、職場から嫌な顔をされて悩んでいる」

私（Sunny）はグループホームのケアマネですが、少なからずこういった経験があります。

きっと居宅や地域包括のケアマネは、こんな相談をもっと受けていることでしょう。

現在の日本は、超高齢社会です。

働く世代にとって、家族の介護は他人事ではありません。

介護の必要なお年寄りだけでなく、「家族の悩み」も深刻です。

介護問題で悩む「働き盛り家族」の救世主、それが産業ケアマネジャーなのです。

私たちケアマネにとっても、どんな仕事内容なのだろうと興味が湧いてきませんか？

私はこの資格を知って、これからはどんどんケアマネの仕事の幅が広がっていく！

そんなワクワクした気持ちにもなったのです。

今回は、産業ケアマネの資格内容や報酬、口コミ、働ける場所までまとめました。

では、詳しく見ていきましょう。

産業ケアマネってどんな資格？受験資格や試験の内容は？

産業ケアマネジャーを一言で表すと「仕事と介護を両立できるように、働く家族を支援する仕事」。

ちなみにこの資格は、「ケアマネジャーを紡ぐ会」が創設した民間資格です。

日本は少子化に伴って、働き手が減少していくことが予想されています。

そして皆さんご存じの通り、超高齢社会でもあるのです。

身内の介護のために、働き盛りの世代が仕事を辞めなければならない・・・。

いわゆる介護離職が社会問題となり、働き手の減少に拍車をかけています。

産業ケアマネは、仕事と介護の両立を実現するための相談支援を担っているのです。

そして、それは日本経済の衰退防止につながると期待されているのです。

そんな産業ケアマネについて、資格や試験の内容を紹介しますね。

【チェック！】ケアマネに役立つスキルアップ資格８選！「プラスの資格」で有利な転職＆収入アップ！

産業ケアマネの資格概要

産業ケアマネは３～１級まであり、試験日や要件も異なります。

【産業ケアマネジャーの概要】

級	受験資格	試験日/認定要件(1級のみ)
3級	介護支援専門員資格保有	年2回(春分の日・秋分の日)
2級	産業ケアマネ3級資格取得者	年1回(勤労感謝の日)
1級	産業ケアマネ2級資格取得者	指定研修6回受講(有料)産業ケアマネとして 顧問先企業の実績1件 ③産業ケアマネ2級取得者 　　同士のコミュニティ参加

※当面の間は3級のみ実施予定

産業ケアマネ試験の概要

現在のところは「3級」のみ試験が行われています。

今回紹介しているのは、その「産業ケアマネ３級」の試験概要です。

【産業ケアマネ３級】

受験条件	介護支援専門員資格保有者 その他保有資格・年齢・実務経験は不問
試験形式	〇×式　50問(各2点)
学習の手引き	受験料支払い確定後、1週間以内にテキストと練習問題が送信されるため、それをダウンロード。
合格基準	70点
受験申込方法	インターネットより申し込み
受験料	9.800円 基本テキスト・練習問題・受験料・資格認定料含む
受験料支払い方法	指定口座への振り込み

※試験会場・次回日程の詳細は、「ケアマネジャー紡ぐ会」のHP参照してください。

産業ケアマネの口コミは？

産業ケアマネは、とても新しい資格です。

第1回試験が行われたのは、、2020年11月23日のことでした。

産業ケアマネとして働いている方は、まだまだ少数なのでしょう。

ネット上の口コミも、2022年時点では決して多くはありません。

ただ産業ケアマネの合格の報告は、ＳＮＳ上にもチラホラ・・・。

https://twitter.com/Shizu7S/status/1516979212259041280?s=20&t=FIUAuKP56CmuZIsBRit9iw

https://twitter.com/takenokoen0412/status/1516974786970533888?s=20&t=j6l68cerPzM3UjffCtHioQ

また、産業ケアマネという資格については、こんな意見・口コミも挙がっています。

産業ケアマネの口コミは多いとは言えませんが、興味を持つケアマネは増えているようです！

産業ケアマネと普通のケアマネ、働く場所や報酬は違うの？

では、産業ケアマネと普通のケアマネは、何が違うのでしょう。

一般的にケアマネは、介護を必要とする利用者へケアマネジメントを行う職業です。

しかし産業ケアマネは、ちょっと違います。

ケアマネですから、介護保険制度を活用するという点は同じです。

でも産業ケアマネが支援していく対象や働く場所、報酬は・・・。

産業ケアマネの特徴について、詳しく見ていきましょう。

【チェック！】主任ケアマネになると給料や役割が変わる？ケアマネと何が違うの？

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産業ケアマネが支援する対象は、家族

私たち通常のケアマネは、介護を必要とする方が利用者です。

しかし産業ケアマネの仕事は、働く世代の介護離職を防ぎ、仕事と介護の両立を実現すること。

そのため産業ケアマネの利用者は、介護を必要とする方の家族なのです。

基本的にケアマネ研修では、「家族の意向ばかり聞かないように」と指導をされます。

家族に重きを置いて考えるというのは、どうもしっくりこないかもしれません。

しかし介護を必要とする方にとって、一番身近な社会資源は家族です。

家族に寄り添う介護の専門家、その名は「産業ケアマネ」。

それは介護のことを何も知らない人にとっては、とても心強いのではないでしょうか。

【チェック！】ケアマネと看護師どっちが上？上下関係はある？給料～仕事内容まで本音で語ります

産業ケアマネが働く場所は（主に）一般企業

普段私たちケアマネは、居宅や介護施設、地域包括など、介護保険が関係する場所で働いています。

しかし産業ケアマネを必要としているのは、主に（介護が専門ではない）一般企業なのです。

働き盛りの人材が介護に悩み、そのまま離職してしまっては、企業にとっても大きな損失です。

そして現在、従業員へ仕事と介護の両立支援をすることも、国から事業主に求められています。

仕事と介護を両立する働き方について、アドバイスできる専門家が企業内にいれば安心です。

それに一役買うことができるのが、産業ケアマネなのですね。

仕事内容は家族へのアドバイスや専門家へ橋渡し

ケアマネとして働いているあなたは、普段どのような仕事をしていますか？

介護が必要な方の意向や状況に応じたサービスの提案や、事業者等との連絡・調整が主でしょう。

ですが産業ケアマネを利用するのは、仕事と介護の両立に悩む働き盛りの「家族」です。

産業ケアマネは、そんな家族の仕事が継続できるように、介護保険等を用いてアドバイスをすることが仕事です。

通常のケアマネも家族の相談にものりますが、主体はあくまで要介護者なのです。

でも産業ケアマネはもっと踏み込んで、時には介護者家族の代弁者となることも必要です。

担当ケアマネと連携し、レスパイトケアをプランに盛り込む等、具体的な提案もできるでしょう。

あるいは、家族の抱える悩みや問題に応じて、法律や医療の専門家へ「橋渡し」することも求められています。

【チェック！】ケアマネが「できないこと」とは？業務範囲外でも断れない現実（本音）

産業ケアマネの給料や報酬は？

産業ケアマネの職場は、居宅や介護施設ではなく「一般企業」。

もちろん収入は、介護報酬ではありません。

雇用契約は企業との直接契約で、報酬は交渉・・・という形が多くなると予想されます。

ただ現時点では、産業ケアマネの顧問料の相場ははっきりしません。

参考までに、産業ケアマネと内容が重なる部分も多い、社会保険労務士の顧問料の相場は以下の通りです。

【社会保険労務士の顧問料・報酬の相場（目安）】

事業所の人数	報酬の相場
4人以下	2万円前後
20人から29人以下	5万円前後
50人から69人以下	8万5千円前後
100人から150人以下	14万円前後

産業ケアマネ専用の求人サイトはあるの？

2022年時点では、「産業ケアマネ」の求人は多くはないです。

そして産業ケアマネ専用の求人サイトも、今は見当たりません。

それはやっぱり、新しい資格だということが大きいでしょうね。

ちなみに、東京海上日動などの大手企業では、産業ケアマネの導入を公表しているところも出てきました。

ただ外部に求人を出したものではなく、グループ会社のケアマネ資格保有者から選抜したパターンが多いようです。

なお、これから産業ケアマネの求人が出てきたら、有資格者が殺到する可能性大。

なのでハローワークなどではなく、まずは非公開求人として、その企業と付き合いのある転職エージェントに依頼することでしょう。

そのために今できるのは、ケアマネ業界の転職エージェントに登録し、希望を伝えておくこと。

キャリアコンサルタントなど、もし人材支援系の資格があれば、それも生かせるはずです。

複数ある転職サイトの中でも、「介護JJ（介護ジャストジョブ）」なら、医療福祉業界の実績が長いのでオススメです。

産業ケアマネとしての働き方は？

介護保険や介護報酬に規定されない、産業ケアマネ。

その働き方については、工夫次第で多岐に渡ります。

まずは、産業ケアマネとして企業に所属する働き方。

いわゆる「コンサルタント」のようなイメージですが、現時点では求人は多くありません。

そのため他の仕事と兼務したり、非常勤で副業として働く方法が現実的です。

居宅などでケアマネとして働きつつ、委託という形で相談に乗るのも良いでしょう。

直接対面しなくても、電話はもちろん、メールやオンラインで気軽にやりとりできますからね。

もちろん、副業がＯＫな事業所に勤めているケアマネに限りますが・・・。

あるいは、企業等向けの講演をするのも面白そうですね。

介護に関する制度や社会資源の紹介など、産業ケアマネならではのトピックは山ほどあります。

新しい資格のため手探り状態と言えますが、だからこそ産業ケアマネの働き方と将来性は無限大なのです。

【転職サイトで、産業ケアマネの求人を希望登録する方法もアリです】

産業ケアマネにおススメの人は？

産業ケアマネにおススメなのは、まずはケアマネとしてのスキルアップを考えている方です。

特に社会福祉士などソーシャルワーカーではない、医療や介護系の基礎資格のケアマネですね。

産業ケアマネとして働かなくても、資格の勉強で得た知識は、ケアマネ業務でも役に立ちます。

利用者の家族が悩んでいるとき、働き方などを助言できる。

それはつまり、社会制度の知識を武器に、家族も含めて総合的に支援することが可能になるのです。

そして更におススメしたいのは、収入アップを考えている現役ケアマネ。

ケアマネの給料の相場は、その業務内容や業務量からみても、まだまだ少ないと感じます。

副業収入として、産業ケアマネの報酬が数万円でもあれば・・・。

すごく生活が潤いませんか？

また独立開業ケアマネの収入源としても、産業ケアマネは活路のひとつです。

ケアマネは、受け持ち可能な利用者数に上限があります。

ケアプラン以外にも収入源があれば、事業運営もかなり楽になるはずです。

【まとめ】産業ケアマネは使える資格？報酬や口コミ、働ける職場も気になる！

新しい資格「産業ケアマネ」、なかなか魅力的だと思いませんか？

私たちケアマネの支援対象者は、基本的には「介護を必要としている」利用者さん。

家族の意向ばかりのプランはNG・・・と、時には研修で指導されました。

しかし現在の日本では、少子高齢化で人口減少。

介護を担う働き盛りの家族のケアも、また重大な問題なのです。

この産業ケアマネは、時代にマッチした資格と言えるのではないでしょうか。

また、この産業ケアマネという資格は、従来のケアマネと対象者も違えば働き方も違います。

今までは配置が義務付けられた場所で、莫大な量の仕事をこなす・・・。

それだけが、ケアマネ資格を活かす方法だと私は思っていました。

介護保険制度の要・介護保険のプロと言われているケアマネ。

これからは、この産業ケアマネのように、ケアマネのニーズが増えていくと良いと思っています。