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高齢者シェアハウス5つの問題点と入居前に確認すべきこと【ケアマネ視点で警告】

「高齢者シェアハウス、親に勧めようと思うけど本当に大丈夫かな?」
そう検索してこのページにたどり着きましたか?



その不安は正しいです
安くて孤独死の心配もなさそう、って聞くと良さそうに思えますよね。
でも、現場で実際に入居者さんを見てきた私からすると、正直「ちょっと待って」と言いたくなる場面が少なくないんです。
この記事では、ケアマネとして見てきた高齢者シェアハウスのリアルな問題点と、入居前に必ず確認すべきことをまとめました。
ケアマネが現場で見てきた高齢者シェアハウス5つの問題点


高齢者シェアハウスって、一見すると理想的な住まいに見えるんです。
孤独じゃない、費用も抑えられる、自由に暮らせる。
でも、実際に入居者さんやご家族と関わっていると「こんなはずじゃなかった」という声を聞くことが本当に多い。
正直、問題が表面化するのは入居してからなんです。
ここからは、ケアマネとして現場で実際に見てきた問題点を5つ、包み隠さず書いていきます。



高齢者シェアハウスって、普通の賃貸とどう違うんですか?



簡単に言うと、複数の高齢者が一つ屋根の下で暮らす共同生活の場だね
【問題点1】介護が必要になると退去を迫られるケースが多い
これが一番深刻な問題です。
高齢者シェアハウスの多くは「自立している高齢者向け」を前提に運営されています。つまり、介護が必要になった時点で、契約上「想定外」になってしまうんです。
契約書には「要介護状態になった場合、退去をお願いすることがあります」と小さく書いてあることがほとんど。入居時は元気だから見逃しがちですが、これが後で大問題になります。
実際、認知症の症状が出始めた途端に「他の入居者に迷惑がかかる」と退去を求められた方もいました。
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認知症や要介護状態になった入居者の実例
少し前に担当していた80代の男性がいました。
シェアハウスに入居して2年ほど、特に問題なく過ごしていたんです。
ところが、物忘れが目立ち始めて、夜中に他の入居者の部屋のドアを叩くようになってしまった。
運営側は「集団生活に支障がある」として、1ヶ月以内の退去を求めました。
ご家族は慌てて次の住まいを探しましたが、急いで決めたこともあって、本人に合わない施設に入ることになった。
本人も混乱していましたし、ご家族も「もっと早く知っていれば」と後悔されていました。
要介護2程度でも、共同生活が難しいと判断されれば退去を求められることがあります。これは珍しいケースではないんです。
介護保険サービスの利用制限がある物件の実態
もう一つ、見落としがちなのが介護保険サービスの利用制限。
高齢者シェアハウスは介護施設ではないので、訪問介護や訪問看護を自由に使えると思いきや、物件によっては制限があるんです。
たとえば、特定の事業所としか契約していない物件だと、自分で選んだケアマネや訪問介護を使えないことがあります。また、共用スペースでの介護行為を禁止している物件もあって、実質的にサービスを受けにくい環境になっている。
「介護が必要になっても住み続けられます」と謳っている物件でも、蓋を開けてみたら使えるサービスがほとんどなかった、というケースも見てきました。
入居前に、介護保険サービスの利用について具体的に確認しないと、後で困ることになります。



介護が必要になったら、必ず出て行かないといけないんですか?



物件によるけど、多くの場合は退去を求められる可能性が高いね
【問題点2】入居者同士の人間関係トラブルが深刻化しやすい
高齢者シェアハウスは「みんなで仲良く暮らす」イメージがありますよね。
でも現実は、人間関係のトラブルが絶えない物件も少なくないんです。
特に、プライドの高い高齢者が集まると、小さなことで対立が起きやすい。
共用スペースの使い方、掃除当番の分担、テレビのチャンネル争い…そんな些細なことが、深刻な対立に発展することもあります。
運営側がしっかり調整してくれる物件ならまだいいんですが、放置されると入居者同士で解決しなきゃいけなくて、それがストレスになる。
プライドの高い高齢者が集まることで起きる対立
これ、意外と見落とされがちなんですが、高齢者シェアハウスに入居する方って、それまで一人暮らしや夫婦二人暮らしをしていた「自立した」方が多いんです。
つまり、自分のペースやこだわりがしっかりある。
それが悪いわけじゃないんですが、集団生活となると話は別です。
「自分のやり方が正しい」と思っている人同士が同じ空間にいると、譲り合いがうまくいかない。
食事の時間、洗濯機の使い方、共用スペースの片付け方…全部が対立の種になります。
ある物件では、リビングの窓を開けるか閉めるかで2つのグループに分かれて、半年以上険悪な雰囲気が続いたこともありました。
若い頃なら笑って済ませられることでも、高齢になると妥協が難しくなる方もいるんです。
生活リズムや価値観の違いから生じる日常的な摩擦
生活リズムの違いも、思った以上に大きなストレスになります。
朝型の人と夜型の人が同じ屋根の下にいると、音や生活音が気になる。早朝に掃除機をかける人と、夜遅くまでテレビを見る人が同居していたら、そりゃ摩擦が起きますよね。
あと、価値観の違いも侮れません。節約志向の人と、ちょっと贅沢したい人。
几帳面な人と、おおらかな人。
どちらが正しいわけじゃないんですが、一緒に暮らすとなると話は別です。
共同生活だから譲り合いが必要なのは分かっている。
でも、毎日のこととなると、小さな我慢が積み重なって爆発することもあるんです。
運営側が定期的にミーティングを開いてくれる物件なら、まだ調整の余地があります。
でも、そういうサポートがない物件だと、入居者だけで何とかするしかなくて、それが精神的な負担になる。



人間関係って、そんなに大変なんですか…



そうだね。合う人同士ならいいんだけど、運次第なところもあるから
【問題点3】プライバシーの確保が困難で精神的負担が大きい
高齢者シェアハウスは基本的に個室がありますが、共用スペースが多いのが特徴です。
リビング、キッチン、浴室、トイレ…誰かと顔を合わせない日はほとんどない。それが孤独感の解消にはなるんですが、逆にプライバシーがないと感じる方も少なくないんです。
自分の部屋に戻っても、隣の部屋の音が聞こえる。
廊下で誰かとすれ違う。
リビングに行けば誰かがいる。そういう環境が、人によっては息苦しく感じる。
「一人になりたい」と思っても、それが難しい。
外出すればいいんですが、高齢になると外に出るのも億劫になりますよね。
ある入居者さんは「自分の部屋にいても落ち着かない。でも共用スペースに行くと気を遣う」と言っていました。
結局、半年で退去されました。
プライバシーの感覚は人それぞれ。
集団生活が苦手な人には、高齢者シェアハウスは正直向いていないと思います。
【問題点4】運営体制が不明確で緊急時の対応に不安
これ、入居前にはなかなか見えてこない問題なんですが、実はすごく重要です。
高齢者シェアハウスは介護施設じゃないので、24時間スタッフが常駐しているわけじゃない。夜間は誰もいない物件も多いんです。
じゃあ、夜中に急に体調が悪くなったらどうするのか。転倒したらどうするのか。
その辺の対応が曖昧な物件がすごく多い。
「緊急時は119番に連絡してください」と言われるだけで、実質的なサポートがない物件もあります。
夜間の急変時に対応できる人員がいない
夜間に対応できる人員がいない、これが一番怖いところです。
日中は管理人やスタッフがいても、夜は完全に無人。緊急通報システムがあっても、駆けつけるのは警備会社や119番だけ。
以前、夜中に転倒して動けなくなった入居者さんがいました。
緊急ボタンを押したんですが、警備会社が来るまで30分以上かかった。その間、他の入居者も高齢で助けられず、結局救急車が来るまで床に倒れたままだったそうです。
サ高住や有料老人ホームなら、夜間も職員がいるか、すぐに駆けつける体制がある。
でも、高齢者シェアハウスにはそれがないんです。
「元気なうちは大丈夫」と思っても、高齢者はいつ何が起こるか分からない。その時に誰も助けてくれない環境って、本当に不安です。
医療機関や介護事業所との連携体制が未整備
もう一つ、医療機関や介護事業所との連携が取れていない物件も多い。
協力医療機関がない、訪問看護ステーションと提携していない、ケアマネとの情報共有もない…そういう物件に入居してしまうと、いざという時に本当に困ります。
たとえば、体調が悪くなった時、誰に相談すればいいのか。持病がある方なら、定期的な通院や薬の管理が必要ですよね。
でも、運営側がその辺をサポートしてくれるわけじゃない。
ある物件では、入居者が体調不良を訴えても「家族に連絡してください」と言われるだけで、何もしてくれなかったそうです。家族が遠方に住んでいたら、どうしようもないですよね。
介護が必要になった時も同じ。
ケアマネを探すのも、事業所を選ぶのも、全部自分や家族がやらなきゃいけない。
運営側は関与しません、というスタンスの物件が多いんです。
【問題点5】「安いだけ」の物件は将来的なリスクが高い
高齢者シェアハウスの魅力の一つが、費用の安さですよね。
でも、安いのにはそれなりの理由があります。
サービスが少ない、設備が古い、運営体制が脆弱…何かが削られているから安いんです。
「とにかく安く済ませたい」という気持ちは分かります。でも、安さだけで選ぶと、後で後悔することが本当に多い。
設備が古いと、バリアフリーになっていなくて転倒のリスクが高い。
段差がある、手すりがない、浴室が滑りやすい…そういう物件もあります。
また、運営事業者の財務状況が不安定だと、突然閉鎖されるリスクもあるんです。
実際、コロナ禍で閉鎖された高齢者シェアハウスもありました。
安いのは魅力的ですが、長期的に安心して住めるかどうかは別問題。初期費用が安くても、将来的に引っ越しを余儀なくされたら、結局は高くつきます。



やっぱり高齢者シェアハウスって、リスクが大きいんですね…



うん、正直そう。でも、メリットもあるから、次はそこを見ていこうか
ケアマネ視点で見た高齢者シェアハウスのメリットと限界


ここまで問題点ばかり書いてきましたが、高齢者シェアハウスにもメリットはあります。
正直に言うと、条件が合う人にとっては悪い選択肢じゃないんです。ただ、限界もはっきりしている。
ここでは、ケアマネの視点から見た高齢者シェアハウスのメリットと、その限界について整理します。
メリット:孤独死リスクの軽減と社会的つながりの維持
高齢者シェアハウスの最大のメリットは、やっぱり孤独じゃないことです。
一人暮らしの高齢者にとって、孤独死のリスクは現実的な不安ですよね。
でも、シェアハウスなら誰かが気づいてくれる可能性が高い。
朝、顔を合わせない日が続けば「あの人、大丈夫かな?」と他の入居者が気にかけてくれる。これは一人暮らしにはない安心感です。
また、社会的なつながりを維持できるのも大きい。
退職後、人と話す機会が減った方にとって、毎日誰かと顔を合わせる環境は刺激になります。
リビングでお茶を飲みながら世間話をする、一緒にテレビを見る、そういう何気ない交流が、認知症の予防にもつながるという声もあります。
人間関係がうまくいけば、シェアハウスは孤独を解消してくれる場所になる。
これは間違いなくメリットです。
メリット:経済的負担が軽く初期費用も抑えられる
もう一つのメリットが、経済的な負担の軽さ。
有料老人ホームやサ高住に比べて、高齢者シェアハウスは圧倒的に安いんです。入居金もほとんどかからず、月額費用も5〜10万円程度で済む物件が多い。
年金だけで生活している方にとって、この費用の差は大きいですよね。有料老人ホームだと月額20万円以上かかることもザラなので、シェアハウスなら経済的な不安が少ない。
また、家具や家電が備え付けの物件も多いので、引っ越しの初期費用も抑えられます。
経済的に余裕がない、でも一人暮らしは不安…そういう方にとって、高齢者シェアハウスは現実的な選択肢になります。
限界:サ高住や有料老人ホームとの決定的な違い
ただ、ここからが重要なんですが、高齢者シェアハウスには明確な限界があります。
サ高住や有料老人ホームとは、根本的に性質が違うんです。安いのは魅力ですが、その分提供されるサービスも少ない。
「安い老人ホーム」みたいに考えていると、後で「こんなはずじゃなかった」となります。
介護サービスの提供体制の違い
サ高住や有料老人ホームは、介護サービスを前提に設計されています。
訪問介護や訪問看護を併設している施設も多く、介護が必要になっても住み続けられる仕組みがある。ケアマネも常駐していたり、提携していたりするので、スムーズにサービスを利用できます。
でも、高齢者シェアハウスは違う。基本的に「自立している高齢者」が対象なので、介護サービスの提供体制が整っていない物件がほとんどです。
介護が必要になった時点で、自分で事業所を探して契約しなきゃいけない。
物件によっては、そもそも訪問介護の利用が制限されていることもある。
この違いを理解せずに入居すると、いざという時に困ります。
長期的な住み続けやすさの比較
長期的に住み続けられるかどうか、これも大きな違いです。
サ高住や有料老人ホームは、看取りまで対応している施設もあります。
つまり、介護度が上がっても、最期まで住み続けられる可能性が高い。
でも、高齢者シェアハウスは違う。
要介護状態になったら退去を求められる可能性が高いし、認知症が進行したら確実に出て行かなきゃいけない。
つまり、「終の棲家」にはなりにくいんです。
あくまで「元気なうちの住まい」という位置づけ。
もし、長期的に安心して住み続けたいなら、サ高住や有料老人ホームの方が向いています。
高齢者シェアハウスは、あくまで「今は元気だけど、将来また引っ越す前提」で選ぶべき選択肢です。
限界:老老介護のリスクと共倒れの危険性
これは盲点なんですが、高齢者シェアハウスって老老介護のリスクもあるんです。
入居者同士が仲良くなると、体調が悪い人を他の入居者が助けるようになる。それ自体は悪いことじゃないんですが、みんな高齢者なんです。
転倒した人を助けようとして、自分も転倒する。夜中に具合が悪くなった人の世話をして、自分が倒れる…そういうリスクが実際にあります。
スタッフがいない時間帯に、入居者同士で助け合うのは美談に聞こえますが、現実的には危険です。
ある物件では、入居者同士が頼り合いすぎて、共倒れになりかけたケースもありました。運営側が介入して、それ以降は「入居者同士で介護しないように」というルールが設けられたそうです。
善意が裏目に出ることもある。これも、高齢者シェアハウスの限界の一つです。
入居前に必ず確認すべき10のチェックポイント【ケアマネ推奨】


ここまで読んで「やっぱり高齢者シェアハウスはやめた方がいいのかな」と思った方もいるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。問題点を知った上で、きちんと確認すれば、安心して入居できる物件もあるんです。
ここでは、ケアマネとして「これだけは絶対に確認してほしい」というチェックポイントを10個にまとめました。入居を検討しているなら、この10項目を必ずチェックしてください。



見学に行く時、何を聞けばいいんですか?



これから説明する10項目を、メモして持っていくといいよ
【確認項目1〜3】介護・医療体制に関する確認事項
まず最優先で確認すべきなのが、介護と医療の体制です。
ここが曖昧な物件は、正直おすすめできません。元気なうちは問題なくても、いざという時に困るのは入居者本人とご家族です。
以下の3つは、必ず具体的に聞いてください。
- 要介護状態になった場合の対応方針
- 訪問介護・訪問看護の利用可否
- 協力医療機関や緊急時の連絡体制
この3つが明確に答えられない物件は、避けた方が無難です。特に1つ目は絶対に確認してください。
要介護状態になった場合の対応方針
「要介護状態になったらどうなりますか?」と、ストレートに聞いてください。
曖昧な答えが返ってきたら要注意。
「その時は相談しましょう」とか「ケースバイケースです」と言われたら、ほぼ確実に退去を求められると思っていいです。
理想的な回答は「要介護2までなら住み続けられます」とか「訪問介護を利用しながら継続可能です」といった具体的な基準が示されること。
また、契約書にも目を通してください。「要介護状態になった場合は退去すること」と書いてあったら、それが全てです。口頭で「大丈夫ですよ」と言われても、契約書が優先されます。
この確認を怠ると、後で必ず後悔します。
訪問介護・訪問看護の利用可否
次に、訪問介護や訪問看護を自由に利用できるかどうか。
「利用できます」と言われても、それだけじゃ不十分です。
「どの事業所でもいいのか」「提携事業所があるのか」「利用時間の制限はあるのか」まで確認してください。
物件によっては、特定の事業所としか契約していなくて、自分で選べないことがあります。
また、共用スペースでの介護行為が禁止されている物件もある。
訪問看護についても同じ。
医療的ケアが必要になった時、訪問看護師が来られる環境かどうか。
これも確認しておかないと、いざという時に困ります。
「利用できます」という言葉だけで安心せず、具体的な条件を聞いてください。
協力医療機関や緊急時の連絡体制
協力医療機関があるかどうかも重要です。
提携している病院やクリニックがあれば、体調不良の時にスムーズに受診できます。また、往診に来てくれる医師がいるかどうかも確認したい。
緊急時の連絡体制も聞いてください。夜間に体調が悪くなった時、誰に連絡すればいいのか。
119番だけなのか、運営側に連絡できるのか。
緊急通報システムがある物件もありますが、それが誰につながるのか、駆けつけてくれる人がいるのかまで確認しないと意味がありません。
「緊急時はどうすればいいですか?」とシンプルに聞いてみてください。
具体的な手順を説明してくれる物件なら、ある程度信頼できます。
【確認項目4〜6】運営・契約に関する確認事項
次に、運営と契約の内容です。
ここを曖昧にすると、後でトラブルになる可能性が高い。特に費用面と退去条件は、必ず書面で確認してください。
- 運営事業者の実績と財務状況
- 退去条件と契約解除時のルール
- 費用の内訳と追加料金の有無
特に2つ目の退去条件は、見落としがちですが超重要です。
運営事業者の実績と財務状況
運営事業者がどんな会社なのか、調べてください。
設立何年か、他にどんな物件を運営しているか、過去にトラブルがなかったか…ネットで検索すれば、ある程度の情報は出てきます。
できれば、財務状況も確認したい。とはいえ、一般の人が財務諸表を読むのは難しいですよね。
なので、最低限「会社が安定しているか」を見学時に感じ取ってください。
スタッフの対応が雑、建物のメンテナンスが行き届いていない、そういう物件は要注意。
運営が苦しい可能性があります。
実際、コロナ禍で閉鎖された高齢者シェアハウスもありました。突然「来月で閉鎖します」と言われて、入居者が慌てて引っ越し先を探したケースも。
長く住むつもりなら、運営事業者の安定性は絶対に確認してください。
退去条件と契約解除時のルール
退去条件、これが一番トラブルになりやすいポイントです。
契約書に「どういう場合に退去を求められるか」が書いてあるはずなので、必ず確認してください。
曖昧な表現だったら、具体的に聞いてください。
「共同生活に支障がある場合」とか「他の入居者に迷惑をかけた場合」とか、抽象的な条件だけだと危険です。
何が「支障」で何が「迷惑」なのか、判断基準が不明確だから。
また、退去を求められた場合、どれくらいの猶予期間があるのかも確認してください。
1ヶ月以内に出て行けと言われても、現実的には難しいですよね。
契約解除時の敷金の返還ルールも確認しておきましょう。退去時にトラブルになるケースが多いので。
費用の内訳と追加料金の有無
月額費用の内訳も、細かく確認してください。
「月5万円」と言われても、それに何が含まれているのか。
家賃だけなのか、光熱費も含まれているのか、食費は別なのか…曖昧なままだと、後で予想外の出費が発生します。
追加料金の有無も重要。
共用部分の清掃費、インターネット代、暖房費…細かい費用が後から請求されることもあります。
「月5万円で全部込み」と思って入居したら、実際には月8万円かかった、というケースも聞いたことがあります。
見学時に、費用の内訳を書面でもらってください。口頭の説明だけだと、後で「聞いてない」「言った言わない」になります。
【確認項目7〜10】生活環境・入居者に関する確認事項
最後に、生活環境と入居者についてです。
ここは、実際に見学に行かないと分からない部分が多い。でも、だからこそ重要なんです。
- 共用スペースと個室のバランス
- 現入居者の年齢層と要介護度
- ハウスルールとトラブル時の調整体制
- 見学時に入居者の表情や雰囲気を観察
特に4つ目、入居者の表情や雰囲気は見逃さないでください。
資料には載っていない、リアルな情報が得られます。
共用スペースと個室のバランス
個室がどれくらい広いのか、実際に見てください。
6畳あれば十分と思うかもしれませんが、収納が少ないと荷物が置けない。ベッドと小さな机を置いたら、もう動けるスペースがない…なんてこともあります。
共用スペースの広さや使いやすさも確認してください。
リビングが狭いと、入居者全員が集まれない。キッチンが小さいと、料理をする人が限られる。
また、共用スペースの使い方にルールがあるかも聞いてください。時間制限があるのか、自由に使えるのか。洗濯機や浴室の利用時間も確認しておくといいです。
実際に住むイメージを持って、生活しやすいかどうか判断してください。
現入居者の年齢層と要介護度
今住んでいる入居者が、どんな人たちなのか聞いてください。
年齢層がバラバラだと、話が合わないこともあります。70代と90代じゃ、生活リズムも価値観も違いますよね。
要介護度も重要。
自立している人ばかりなのか、要介護の人もいるのか。
要介護の人が多いと、共用スペースが使いにくくなることもあります。
また、男女比も聞いておくといい。
女性ばかり、男性ばかりだと、居心地が悪く感じる方もいます。
「どんな方が住んでいますか?」とシンプルに聞いてみてください。
答えにくそうにしたら、何か隠している可能性もあります。
ハウスルールとトラブル時の調整体制
ハウスルールがあるかどうか、これも確認してください。
掃除当番、ゴミ出し、共用スペースの使い方…細かいルールがある物件もあります。
ルールが厳しすぎると窮屈ですが、逆にルールがなさすぎると無秩序になる。
トラブルが起きた時、誰が調整してくれるのかも聞いてください。
運営側が介入してくれるのか、入居者同士で解決しなきゃいけないのか。
定期的にミーティングがある物件なら、トラブルを未然に防げる可能性が高い。
逆に、放置される物件だと、人間関係が悪化しやすい。
「入居者同士でトラブルが起きたら、どうしますか?」と聞いてみてください。具体的な対応策を説明してくれる物件なら、ある程度信頼できます。
見学時に入居者の表情や雰囲気を観察
これ、すごく大事なんですが、見学時に入居者の表情をよく見てください。
みんな笑顔で挨拶してくれる物件なら、雰囲気がいい可能性が高い。
逆に、誰も挨拶してくれない、表情が暗い…そういう物件は要注意です。
リビングで談笑している様子があるか、それとも各自バラバラに過ごしているか。どちらがいいかは人それぞれですが、雰囲気は感じ取れるはず。
また、清潔感も重要。共用スペースが汚れている、臭いがする…そういう物件は、管理が行き届いていない証拠です。
見学は必ず日中に行って、入居者が活動している時間帯に訪問してください。
夜間や入居者がいない時間帯だと、リアルな様子が分かりません。
できれば、複数回見学に行くのが理想です。1回目と2回目で印象が変わることもあります。
高齢者シェアハウスで後悔しないための選び方【家族向け】


ここまで読んで「結局、どうやって選べばいいの?」と思っている方も多いと思います。
正直、高齢者シェアハウスは「誰にでもおすすめ」というものじゃありません。向いている人と向いていない人がはっきり分かれます。
ここでは、どんな人に向いているのか、逆に避けた方がいい人はどんな人なのか、ケアマネの視点から整理します。



うちの親、シェアハウスに向いてるのかな…



これから話す特徴に当てはまるか、チェックしてみて
こんな人には向いている:シェアハウスが適している高齢者の特徴
まず、高齢者シェアハウスが向いている人から。
すべてに当てはまる必要はないですが、いくつか該当するなら、選択肢として考える価値はあります。
- 今は元気で自立している
- 人と話すのが好き、孤独が苦手
- 経済的に余裕がない
- 将来また引っ越す前提で考えられる
- 柔軟性があり、集団生活に抵抗がない
特に「将来また引っ越す前提」というのが大事なんです。終の棲家として考えていると、後で困ります。
また、集団生活に抵抗がない人。
学生時代に寮生活をしていた、若い頃シェアハウスに住んでいた…そういう経験がある方なら、比較的スムーズに馴染めると思います。
孤独が本当に苦手、誰かと一緒にいる方が安心する、そういう方にはシェアハウスは良い選択肢です。
こんな人には向いていない:別の住まいを検討すべきケース
逆に、向いていない人の特徴も挙げておきます。
無理して入居しても、お互いにとって良くないので、該当する方は別の選択肢を考えた方がいいです。
- プライバシーを重視する
- 持病があり、定期的な医療ケアが必要
- すでに要介護認定を受けている
- 認知症の症状がある
- 集団生活が苦手、一人の時間が必要
特に、すでに要介護や認知症がある方は、シェアハウスじゃなくてサ高住や有料老人ホームを検討してください。
シェアハウスでは対応できません。
また、プライバシーを重視する方も向いていません。「一人の時間が必要」と感じるタイプの方は、シェアハウスはストレスになります。
無理して入居しても、結局すぐに退去することになる。
それなら最初から別の選択肢を探した方が賢明です。
ケアマネが推奨する優良物件の見分け方
じゃあ、どうやって良い物件を見分けるのか。
ここでは、ケアマネとして「この物件なら安心」と思えるポイントを2つ紹介します。
介護保険サービスと連携している物件
介護保険サービスと連携している物件は、比較的安心です。
訪問介護や訪問看護の事業所と提携していて、必要になったらスムーズに利用できる。ケアマネも定期的に訪問してくれる。
そういう体制が整っている物件なら、いざという時も安心です。
見学時に「介護が必要になった場合、どのような支援がありますか?」と聞いて、具体的な事業所名や連携内容を説明してくれる物件は信頼できます。
曖昧な答えしか返ってこない物件は、避けた方が無難です。
NPO法人や社会福祉法人が運営する物件
運営主体も重要。
営利企業が運営している物件よりも、NPO法人や社会福祉法人が運営している物件の方が、入居者の生活を重視している傾向があります。
利益優先じゃないので、スタッフの対応が丁寧だったり、トラブル時の調整がしっかりしていたり。
もちろん全てがそうとは限りませんが、傾向としてはあります。
運営主体は、ホームページや契約書に書いてあるので、確認してみてください。
入居後も定期的に確認すべきポイント
入居して終わりじゃありません。
入居後も、定期的に様子を確認してください。
特に、家族が遠方に住んでいる場合は、月に1回は連絡を取って、状況を聞いた方がいいです。
- 体調の変化はないか
- 他の入居者とうまくいっているか
- 運営側の対応に不満はないか
- 介護が必要になる兆候はないか
特に、体調の変化は見逃さないでください。「ちょっと最近疲れやすい」とか「物忘れが増えた」とか、小さなサインが出ている可能性があります。
早めに気づけば、対応策を考える時間ができます。手遅れになる前に、動き出すことが大事です。
高齢者シェアハウス以外の選択肢も比較検討しよう


高齢者シェアハウスだけが選択肢じゃありません。
状況によっては、他の住まいの方が合っていることもあります。
ここでは、シェアハウス以外の選択肢も簡単に紹介しておきます。
迷っているなら、複数の選択肢を比較してから決めてください。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との違い
サ高住は、高齢者シェアハウスよりもサービスが充実しています。
安否確認や生活相談のサービスが必ずついていて、スタッフが常駐している物件も多い。
介護が必要になっても住み続けられる仕組みがあるので、長期的な安心感があります。
ただ、その分費用は高い。月額10〜20万円程度かかる物件が多いです。
経済的に余裕があるなら、サ高住の方が安心です。シェアハウスのように「要介護になったら退去」というリスクが少ない。
どちらを選ぶかは、経済状況と将来の不安度合いで判断してください。
グループリビング・コレクティブハウスという選択肢
グループリビングやコレクティブハウスという選択肢もあります。
これは、入居者が共同で運営する住まいの形態。シェアハウスに似ていますが、運営に入居者自身が関わるのが特徴です。
自分たちでルールを決めて、自分たちで管理する。
その分、自由度が高いですが、責任も大きい。
物件数は少ないですが、自主性を重視したい方にはいい選択肢です。
ただ、運営に参加できる体力や意欲がないと厳しい。
興味がある方は、NPO法人や自治体の相談窓口で情報を集めてみてください。
まずはケアマネや地域包括支援センターに相談を
どの住まいがいいか迷ったら、まずはケアマネや地域包括支援センターに相談してください。
専門家に相談すれば、状況に合った選択肢を提案してもらえます。
一人で悩むより、プロの意見を聞いた方が早い。
地域包括支援センターは、各市区町村に必ずあります。
無料で相談できるので、遠慮せずに利用してください。
また、見学に行く前に相談すれば、どんなポイントを確認すればいいかもアドバイスしてもらえます。
一人で決めず、周りの力を借りてください。
まとめ:高齢者シェアハウスは問題点を理解した上で慎重に判断することが重要
ここまで、高齢者シェアハウスの問題点と選び方について書いてきました。
正直、メリットもあるけど、リスクも大きい。
向いている人には良い選択肢ですが、誰にでもおすすめできるわけじゃありません。
特に「介護が必要になったら退去」という問題は、絶対に理解しておいてください。安いからと飛びつくと、後で後悔します。
入居前に、この記事で紹介した10のチェックポイントを必ず確認してください。
見学にも必ず行って、自分の目で確かめてください。
最終的には、ご本人とご家族の判断です。
この記事が、その判断材料の一つになれば嬉しいです。






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